手に取ると、あの時のことをはっきりと思い出すこと[のたうつ男の苦悩]

01_のたうつ男の苦悩

[のたうつ男の苦悩]では、時計趣味あるあるとか、気付き、たまにちょっとした主張を交えたものを扱います。一覧化された情報とか、お役立ち情報は期待しないでください。このシリーズの内容が、何かしら生活を少し楽しくするものとなれば幸いです。

筆者:佐藤しんいち Twitter:@SugarHeartOne
webChronosを中心に、時計ライターとして活動中。
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実家を思い出す味「そばぼうろ」

 スーパーでお菓子売り場をうろうろとしていると、懐かしい商品が目に入りました。「そばぼうろ」です。友人に知っているか聞いてみたところ食べたことがないとのことだったので、筆者の実家のある関西ローカルなお菓子だった(過去形)のかもしれません。(京都のお菓子ですし)

 美味しいから買うのでありますが、ほかのクッキー類よりも高価ですし、とびぬけて美味しいというわけでもありません。でも手が伸びる。

 筆者の幼少期は、祖父母と同居して育ってきました。祖母が好きだったのか理由は定かではありませんが、そばぼうろが結構な頻度で自宅の「お菓子置き場」に置かれていたのを覚えています。(そしてよく食べた) そんなお菓子を買って食べてみると、30年以上前のはずですが妙にリアルに記憶がよみがえってきます。

手に取ると、あの時の記憶が呼び起こされる時計

願わくば、当時購入したモデルが復刻されるのを期待するところですが、私にとってはDW-5600は当時の思い出を刺激するモデルであるわけです。

 筆者が初めて「ねだって買ってもらった時計」はG-SHOCKのFOX FIREでした。今となっては型番が分からないのですが、右下が赤色で大きなライトボタンの角型モデルでした。現在でも購入可能な6900シリーズと悩んでそちらを選んだように思います。

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 今にして思えば、この頃から「こっちの方が良い!と思って選んだものは廃番になる」傾向があったようです。なので筆者の新モデル予想とかはアテにしてはいけません。

 さて、同じデザイングループに属する、というか筆者が買ってもらったモデルがDW-5600の派生だったわけですが、DW-5600は筆者の中で永遠の定番であり、思い入れの強い時計です。

 あのモデルを買ってもらったのは小学6年の冬ですね。中学受験(地元公立高校が超不良中学と有名で回避するため…)の際に「受験の時に着けていきなさい」と買ってくれたのでした。明瞭な液晶表示、バシッとエッジが立って、ちょっと艶消し感があり、立体感に富んだケース、憧れだったG-SHOCKのロゴとFOX FIREというガキの心をくすぐるネーミング。最高でした。

 このような話をしていると、そのG-SHOCKを手渡してくれた時の父の姿や、中学受験の会場で「お守りだ!」と手元を確認した記憶が蘇ってきました。蘇ってきたものはとてもリアルで、どこだったか、その時にネイビーのパーカーを着ていたことまで思い出しました。また、その後の大学受験のセンター試験でも使用しましたね。その情景も蘇ってきます。

 多感な時期であったり、初めての時計であったから記憶が濃厚であるということも考えられます。ここまで鮮明なものでなくても、多少のエピソードはその時計を大切にするきっかけになるでしょう。就職記念や昇格記念、結婚記念など、なにかしらの区切りで時計を買うというのは、その後の時計人生の中でも重要なものになるのではないか?と感じるわけです。

 購入のタイミングは後から変えることはできません。しかし、その時計を使い続けてゆくことで、人生のなにかしらの節目に立ち会うという機会が増えてゆくことでしょう。そんな観点を持ちながら、その時計を愛用してみるのはいかがでしょうか。

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