中古ではありますが、銀座タニザワのエアケースを入手できました。
そろそろ旅行することへの心理的ハードルも下がってきましたし、出張指示も出るようになってきましたので、活躍してほしいなと思って買いました。
筆者:佐藤しんいち Twitter:@SugarHeartOne webChronosを中心に、時計ライターとして活動中。 自己紹介と過去の担当記事一覧 |
銀座タニザワといえば鞄の名門。「鞄」という漢字を作ったというのは有名なエピソードですね。それだけ有名で歴史がある店ですと顧客名簿にも著名人が並びます。そこでこのエアケースです。
このエアケースは、現在の上皇陛下がエリザベス女王の戴冠式に出席する際に、タニザワが作った旅行鞄をベースにしたものです。オリジナルは牛革で重たい仕様だった(従者が持つのでOK?)ようですが、豚革に変更されて軽量に仕立てられています。
仕立て自体にどれほど変更が加えられているかわかりませんが、触ってみると丁寧な仕事に心を揺さぶられます。おそらく、変更があっても、それは改良とか革の違いに伴う必要な変更であって、コストダウンなどはされていないのでは?と。
今回、こちらの個体を購入する決め手になったのは(出品者さんの言い分を信じるなら)既に引退した「上皇陛下の鞄を仕立てた職人の晩年の一品」という点でした。ウソかホントか分かりませんが、ロマンがあるじゃないですか。
さて、こちらを購入して二度ほど、出張に使用しました。二度ともにお土産を満載して帰ることになったのですが、収納力が高くて安心できますし、重いものが入っていても金属製のフレームが入っているおかげで形が崩れず、安心して持ち運べます。
その二回の出張で、両日とも小雨に降られるという不運に会い、シミの無かった革にボツボツとしたシミが多数できてしまい……
仕方ないので全体を水拭き後にクリームを塗って仕上げました。ばっちりシミなっていますが色も深くなって良しとします。これで使うのをためらう理由も減ったので、ガンガン使っていきます。
それにしても革質が素晴らしく、均一で色味も(元々は)合っていましたし、触り心地もよいです。メンテをすればメンテに応えてくれるところも素晴らしいです。
裏側はこんな感じ。ベルトは一周ぐるっと。ベルト止めも随所に入っています。底面で縫い付けられており、外すことはできません。
これまではバックパッカー的な大きなリュックや、スポーツバッグのような物しか所有しておりませんでしたが、良い鞄は旅行きたくなる気持ちを高めるものだなぁと思っております。