時計系ライターの佐藤しんいちが購入しました書籍を紹介します。主に時計関連を、たまに時計に関わる工学一般の書籍などを紹介します。ご迷惑にならない程度に内容をチラ見せしながら、購入する人が増えれば…と考えております。
※個人的意見ですが…
技術書・専門書は気になったら買った方が良いです。(経験上) 重版がかかることは稀ですし、その本でしか扱われていない視点が含まれていたりしますので。売れれば、そのジャンルが盛り上がって、新たな書籍が誕生するかもしれません。
筆者:佐藤しんいち Twitter:@SugarHeartOne webChronosを中心に、時計ライターとして活動中。 自己紹介と過去の担当記事一覧 |
概要
LowBEATに掲載された内容に加えて「日本の時計史全般を振り返る資料集」と言える書籍。日本の時計産業の立ち上がりから1970年代末ぐらいまでの流れを詳しく押さえている点は貴重です。
ざっくり紹介
この本の特徴は、日本の時計史について、詳しく年表付きでデータも添えながら追いかけている点ですね。また、その時代それぞれを象徴するモデルが紹介されています。そのため、この本の内容をある程度理解していれば、日本の時計産業の成り立ちを体系的に理解することができて、それと対比しながらスイスやアメリカの時計産業を学ぶことで、立体的に理解が進みそうです。
そして、キングセイコーやグランドセイコーについて深堀りされています。本の趣旨としては「このRefと、このRefはココが違って…」というコレクター向け情報誌ではないのですが、それでも濃いところは濃く仕上がっていますね。
みんな大好きセイコーダイバーズも特集されています。
日本の軍用時計については、これまでノーマークだったので、これを機に注目してみようかと。
最後に、代表するようなモデルがピックアップされて、総覧となっています。
感想
ここまで体系的に「日本の腕時計の歴史」についてまとまった書籍は、なかなか望めないのではないか?と感じています。以前は、国産時計についての情報が豊富なサイトがいくつか存在しましたが、現在は消えてしまったり、検索でたどり着けなかったり…と、悲しい状況になっております。
その中で、このジャンルのプロ(我らがBQさんも参加しています)が、結構、総力を挙げて協力しているようでして、価値ある資料です。
4400円の書籍って結構高いですけど、ちょっと節約すれば金策できるレベルですから、国産腕時計について興味あるんだけど、何を見ればよいか分からない…という人は手にとってみることをお勧めします。