筆者佐藤しんいちがwebChronosで担当したインプレッション記事のこぼれ話をするコーナーです。「webChronos用に」とお貸しいただいている時計ですので、こちらでは元記事を超えるような情報や、元記事を覆したりすることはございません。あくまで補完する内容、思い出などを残しておく程度となります。
元記事
筆者:佐藤しんいち Twitter:@SugarHeartOne webChronosを中心に、時計ライターとして活動中。 自己紹介と過去の担当記事一覧 |
「スプリングドライブ」の特徴である連続的な時間表示を考察
「スプリングドライブ」はセイコー(グランドセイコー)独自の駆動形式です。一般的な機械式時計は、テンプが回転の往復運動をして時間を刻みます。腕時計に限って言えば、どんな複雑・独自機構でも、ここはレギュレーションみたいに守っているのではないかな……?と思います。(自身は無い)
クォーツ式時計は定期的に動くモーターによって針を動かします。
これに対し、スプリングドライブは、主ゼンマイがほどける速度をええ感じに調整して、ええ感じに時間表示をさせています。主ゼンマイ+輪列+主ゼンマイの巻き上げ機構は機械式由来、速度の調整を電気的に行っています。メーカーおよび販売店は、この独特な構造を「機械式とクォーツの融合」であり「両方を得意とするセイコーにしかできない」と売り文句にしています。また、「スムーズな運針と精度を両立!」と謳っている場合もありますが、これはスイープ運針のクォーツ時計も存在するので、独自とは言い難いでしょう。
で、何が言いたいかというと、スプリングドライブの独自性ってそれだけなのだろうか?、私たちが気が付いていない魅力が存在するのではないか?という着眼点で書いた記事がこちらなのです。
針の動きが方が根本的に違うのでは?という気付き
「スプリングドライブが独自なのは分かる。では何が違うのだろう? 違うだけ(特色を出すだけの意味の無い違い)ではない、と思いたい。しかし、明確な答えが無い。」それが最初の感想でした。しかし、動作原理を詳しく考察していると、針を動かす際に止まる部分が無く、滑らかに動いている点に気が付きました。
これは、「カチカチ」というクォーツ時計のステップ運針とも、「滑らかな運針」が特徴とされる機械式時計とも違う特徴です。クォーツ時計との差は分かりやすいとして、機械式時計も、往復するテンプが脱進機をカチッっと動かすわけで、その時に一瞬は止っています。
ここだけ注目すると「だから何なのだ?」になるわけですが、ここからが視点を変えて……。
ということは、これは連続の時間を連続として扱っているじゃないか!!!という気が付きに繋がるわけですが、連続と離散については元記事の方をご覧ください。