筆者佐藤しんいちがwebChronosで担当したインプレッション記事のこぼれ話をするコーナーです。「webChronos用に」とお貸しいただいている時計ですので、こちらでは元記事を超えるような情報や、元記事を覆したりすることはございません。あくまで補完する内容、思い出などを残しておく程度となります。
元記事
筆者:佐藤しんいち Twitter:@SugarHeartOne webChronosを中心に、時計ライターとして活動中。 自己紹介と過去の担当記事一覧 |
ジン「EZM3」
ジンが所在するドイツの時計、いわゆる『ドイツ時計』の括りで考えると、A.ランゲ&ゾーネのようなグラスヒュッテ様式の優美な時計やバウハウスの系譜を感じるノモスなどと並んで、ジンのような『超実用時計』の派閥があります。ダマスコも実用時計派閥に入りますが、ジンより無骨で筋肉モリモリのマッチョメンっぽい見た目です。両方好きですが、ジンのデザインは実用時計として特化しつつ全体的に洗練されていますね。これって結構、稀有な存在だと思います。
「実用」と一口に言っても様々であり、重要なことは「どんな用途を想定した設計であるか?」だと感じています。スポーツ選手とパイロットと軍のダイバーズ部隊だと想定が全く異なるので、必要となる『実用的な』時計は異なると考えられます。
では、EZM3がどのような想定で作られているか? そのあたりは元記事を参照ください。
ジンの公式サイトにも是非
インプレッションのこぼれ話
2020年5月のGW中に時計をお借りしたんですよね。当時は、日本中がどうすればよい?と混乱状態で、とにかくステイホームだ!という時期でした。なので、編集部としては「ネタは作りたいけど、時計を借りるにもブランド広報が動いていない」という状態だったようです。
そういう背景もあり、編集部の細田氏のEZM3をお借りすることになりました。
EZM3のポイントは、高い防水性能の割に薄いことだと思います。それに、動きが良くて腕にフィットするブレスレットが良い! このふたつのマッチングで、レベルの高い装着感を生み出していると感じています。(腕回り17.5cm)
元記事にも書きましたが、おそらくEZM3は左手着用を想定しているはずだけど、リュウズは9時位置に配置されています。その理由を妄想することは楽しいです。一方、オーナーの使い方に目を移します。
オーナーの細田氏は『左利きの時計右手着用』なんですよね。そう考えると、EZM3を選んだことが非常に合理的に見えてきて面白いです。メーカーが何を思ってそれを作ったか?を考えることは面白いですが、同じぐらい、どうしてその人がそれを買うに至ったか?を考えるのも面白いと思います。
そういう意味で、前回紹介した編集長広田氏所有のプリム「スパルタク」のインプレッションも含めて、面白い、個人的に有意義な企画だったのではないか?と回想します。
さて今回のジンですが、ジンは好きですよ。お勧めできます。真面目に作っているのを感じますし、使って傷付いてゆく姿すら格好良いじゃないですか? そういうツールウォッチが欲しい人は、是非候補に入れてみてください。