プリムウォッチ「スパルタク」のインプレこぼれ話

04_こぼれ話

 筆者佐藤しんいちがwebChronosで担当したインプレッション記事のこぼれ話をするコーナーです。「webChronos用に」とお貸しいただいている時計ですので、こちらでは元記事を超えるような情報や、元記事を覆したりすることはございません。あくまで補完する内容、思い出などを残しておく程度となります。

元記事

ビンテージウォッチの魅力を〝持ち続ける〟プリム「スパルタク」/気ままにインプレッション | 高級腕時計専門誌クロノス日本版[webChronos]
今回はチェコ共和国の時計メーカー、プリムより「スパルタク」をレビューする。このモデルにはプレスリリースが添えられるような驚くべき新機構や新素材はなく、また超絶技巧が与えられている訳でもないが、魅力ある1本に仕上がっている。その魅力とはビンテージの雰囲気に“寄せている”のではなく、“持ち続けている”ことであり、「まんま1...
筆者:佐藤しんいち Twitter:@SugarHeartOne
webChronosを中心に、時計ライターとして活動中。
自己紹介と過去の担当記事一覧

プリム「スパルタク」

プリムウォッチ「スパルタク」

 プリムはチェコ共和国の時計メーカーです。チェコ共和国はドイツの東、ポーランドの南西、オーストリアの北といった位置関係の東欧です。美しい街並みのプラハはよく知られています。日本では知名度が低いですが工業国で、石炭が豊富に採れたことから工業が発展したそうな。ミリタリー好きとかアクション映画好きなら知っている人も多い、銃器メーカーの「CZUB」(CZ75のメーカーで、コルト社を傘下に収めた)があったりします。

 プリムは1949年頃から活動を始めているようで、1957年には「プリム」を商標登録しています。このあたりの経緯は、インプレッション記事に詳しく記載していますので、ぜひご覧ください。

 プリムは現在、ヒゲゼンマイや主ゼンマイ、アンクル、インカブロックはドイツやスイスから調達していますが、かなりの部分をチェコ国内で生産しており、ダイアルに書かれた「CZECH MADE」で頑張っているブランドです。今回のスパルタクが搭載するCal.94は、手巻きセンターセコンド機と60年代を思わせる仕様です。これがどのような系譜で作られてきたか?についても記事にしましたので、そちらをご覧ください。

PRIM WATCHES (プリムウォッチ) |チェコ共和国を代表する時計メーカー
チェコ共和国を代表する時計メーカー、マニュファクチュール PRIM(プリム)。 1949年に製造を開始、最先端のテクノロジーを導入しながらも、古き良き時代の技術と精神を融合。往年の作品と変わらぬクラフトマンシップを感じさせ工芸品的価値を見出した時計です。

インプレッションのこぼれ話

 2020年5月のGW中に時計をお借りしたんですよね。当時は、日本中がどうすればよい?と混乱状態で、とにかくステイホームだ!という時期でした。なので、編集部としては「ネタは作りたいけど、時計を借りるにもブランド広報が動いていない」という状態だったようです。
 そういう背景もあり、編集長広田さんの手持ちの中で、インプレッションとして取り上げて面白そうなものを、とプリムが選ばれたようです。

 自分にとってプリムは、ちゃんと見るのは『初めまして』だったと思います。「編集長が買っているから良いものだろう」というバイアスを取り除きつつ、どうやってこの面白さを伝えようかと思って触っていました。

 ムーブメントは古典的な構成を踏襲していて、ケースに対してそこそこ大きいムーブメントを搭載する面白さがあります。ここに着目して楽しむだけでも十分なのですが、個人的にはダイアルに注目したいですね。

 高低差の大きいエンボスで、キレが良くてクッキリしています。ここまでしっかりしていたら、視認性も見栄えも悪くないです。インデックスやモデル名も含めてフォントがカワイイのが個人的にツボです。「SPARTAK」の文字とか、ゆるさもあってカワイイ!

 この個体は精度もそこそこ出ていました(が、特段良くは無い)が、しばらく放置していると調子が出ないとかがあるようです。(広田さん談) そういう意味で、ちょっとどんくさい時計も愛せるマゾな上級者向けな感もあります。そういう性癖を自覚している人は、一度チェックしてみてはいかがですか?

ビンテージウォッチの魅力を〝持ち続ける〟プリム「スパルタク」/気ままにインプレッション | 高級腕時計専門誌クロノス日本版[webChronos]
今回はチェコ共和国の時計メーカー、プリムより「スパルタク」をレビューする。このモデルにはプレスリリースが添えられるような驚くべき新機構や新素材はなく、また超絶技巧が与えられている訳でもないが、魅力ある1本に仕上がっている。その魅力とはビンテージの雰囲気に“寄せている”のではなく、“持ち続けている”ことであり、「まんま1...
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