筆者佐藤しんいちがwebChronosで担当したインプレッション記事のこぼれ話をするコーナーです。「webChronos用に」とお貸しいただいている時計ですので、こちらでは元記事を超えるような情報や、元記事を覆したりすることはございません。あくまで補完する内容、思い出などを残しておく程度となります。
元記事
筆者:佐藤しんいち Twitter:@SugarHeartOne webChronosを中心に、時計ライターとして活動中。 自己紹介と過去の担当記事一覧 |
ハミルトン「イントラマティック オートクロノ」
スウォッチグループの中でミドルレンジ、機械式時計の入門機レベルを担当するハミルトン。搭載するムーブメントの多くは、ETA製の良質な汎用ムーブメントをベースとしており、買い求めやすくて、性能が結構良くて、信頼性抜群という、美味しい位置にいます。
「イントラマティック」は、「アメリカンクラシック」コレクションの中のシリーズで、60年代後半から70年代の雰囲気を採用したネオクラシックなモデルを揃えています。イントラマティックの三針モデルは筆者のおすすめのひとつです。あれは格好が良い。
「イントラマティック オートクロノ」は、ネオクラシックな外観の自動巻きツーカウンタークロノグラフモデルです。このモデルの発売前に、ブラックの限定モデルが販売されていて、どうやら好評だった模様でして、このモデルが通常ラインナップとして追加されたようです。ちなみに、こちらも反響が良かったのか、マニアックな手巻きクロノグラフモデルもこの後に追加しています。ハミルトンは「カーキ」シリーズで手巻きを出すなど、手巻きモデルに積極的なブランドですが、スピードマスターのようなレジェンダリーなモデルでもなく(しかも、比較的新しいコレクションで)手巻きクロノグラフを出すのは挑戦的だと感じます。
インプレッションのこぼれ話
ハミルトンは、とにかく「時計好きの心をくすぐるのが上手い」と感じています。高価なモデルを持っている人でも、手巻きのカーキ、あるいはカーキ アビエーションが欲しい、あるいは持っている人は多いと感じています。自分もそのいずれかは欲しいです。最近は、デジタルウォッチ黎明期の名機を復刻したり、映画に由来するモデルをリリースするなど、魅力的なラインナップを多く取り揃えています。
このイントラマティック オートクロノも、古いハミルトンのロゴが与えられているほか、アイボリーのタキメーターと、鮮やかすぎない渋いブルーのダイアルが印象的です。これにタンカラーのレザーストラップの組み合わせも素敵だったなぁ。これを40mmのケースで仕立てた点も◎。ムーブメントはETA7750のツーカウンターバージョンのETA7753をベースとしたH-31。約60時間のパワーリザーブは十分な性能でしょう。
一点、気になったのはケースの厚みで、手に持った感じはそこそこ厚い。しかし、ラグがケース上面側から伸びていてケースバックが飛び出した風であるため、着用してみるとそれほど気になりません。この辺りの設計は上手いですね。あと、強いて挙げるなら自動巻きローターがやや騒々しいことですが、これを減点対象とすると、ETA7750を搭載した多くのクロノグラフも減点対象になるので、それは野暮でしょう。
とにかくハミルトンはラインナップが豊富で、シンプルで薄手なモデル、クラシックなデザイン、ミリタリー系でタフなモデル、人とは違うアクセントの効いたデザインと非常に多彩です。もし、腕時計に興味を持ち始めた人で、それらのラインナップの中でグッとくるモデルがあるなら、ハミルトンは良いですよ。どれを選んでも安心感があります。
その中で、このイントラマティック オートクロノが気になった人の参考になれば幸いです。
え?時計に詳しい人はどうすればよいかって? 四の五の言わずに買えば良いんじゃないですかね? 後悔しないと思いますよ。